富山県のシダ  By花じい    

オニヒカゲワラビDiplazium nipponicum Tagawa)
メシダ科 ノコギリシダ属

山地のやや陰湿な林床に生育する常緑性のシダです。
北方のものでは夏緑性になることもあるようです。

ただ、富山県のものは、タンゴワラビ(オニヒカゲワラビ×シロヤマシダ)の存在を念頭に置かずに同定してきたと思われます。
写真のものもオニヒカゲワラビの産地とされている上市町大岩のものですが、私はタンゴワラビの一形とも思えます。
タンゴワラビが発表された際は、毛のあるものとされており、毛のないものをシロヤマシダとしてきた経緯があります。
富山県では、タンゴワラビを念頭に置かず、毛のあるものをすべてオニヒカゲワラビとしてきたと考えられるのです。
富山県におけるタ、ゴワラビの存在を発表した2008年までは、オニヒカゲワラビかシロヤマシダのどちらかに整理されていたのです。

このため、オニヒカゲワラビとされているものをもう一度見直す必要があるのですが、
日本の野生植物シダ(平凡社)でも、「変異が大きく、シロヤマシダと交雑して一見区別がむずかしいものもある」としており、
見直し作業は骨が折れそうです。

とりあえず、富山県でのこれまでの記録によれば、
南東部、南部、西部、南西部の山地で確認されています。



2008年8月30日  




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